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本の時間: [SF] ファウンデーションシリーズ

SFの基本文献の一つである。 アシモフで、 ファウンデーションとロボットシリーズは基本中の基本だ。

子供の頃、最初に読んだ時は、 第四巻「ファウンデーションの彼方へ」の日本語訳が出る 直前か出た直後だったような気がする その時に、第一巻から第四巻まで読んだということになる。 そのあとは、たしか五巻は訳を待ち切れずに原書で、 六と七は文庫化した後に読んだ。 そんなわけで四巻だけはハードカバーと文庫両方を持っているし、 五巻は原書と文庫の両方を持っている。

ちなみに、わたし、一番好きなのは第七巻である。 また、ロボットシリーズ(これは項を改めて話そう)も 最終巻「ロボットと帝国」が一番好きである。

初見〜再読

子供の頃、初めて読んだ時は面白かった。 四巻はともかくとして、第一巻から第三巻は面白かった。

だが、何年かに一回くらい読み返してみるけれど、読み返すごとにつまんない という印象が強くなってくるような気がしている。

思うに、子供の頃「おもしろい」と思ったのは、 論理ゲームの面白さであって、 それ以外の要素はどうでもよかったのではないだろうか。

最初の三巻はアシモフの学生時代の作品であって、 小説技法としてはマダマダだとおもう。

第二ファウンデーション

「第二ファウンデーション」という概念には問題がある。

最初読んだ時は、 いよいよという場合に備えて第一のバックアップとなる同等の組織が 「第二ファウンデーション」なのかと思ったが、 実は「こっそり修正を行なう秘密組織」という危なげなものであることが 第三巻の終りで分かる。

確かに四巻と五巻で「第二ファウンデーション」は否定される。 だが、さらに問題のある集合知性のほうへ話がまがっていってしまうので、 おいおい!という感じだが…

「第二ファウンデーション」という概念の行きつく先は「世界をあやつる秘密 組織」「ノストラダムスの預言が当たるのは預言が当たるように世界をあやつ る秘密組織フリーメーソンがあるからだ!」の類のトンデモ本の世界になって しまいかねない。確かに世界の秘密を知る少数の人々というのは物語の基本パ ターンの一つなのだが、やはり危なっかしいテーマだし、それ以上話が広がら ない。それを打破した先が集合知性論法というのもイマイチ。まぁそれをさら に否定する第六巻(のちにでた第六巻ではなく五巻より未来を描く話)があり そうな感じのフリで終っているといえばいるが… イマイチ感がぬぐえない。

なお、五巻の先は結局、描かれなかった。 もしかしたら描く気があったのかもしれないが、 その前に寿命が来てしまったというわけだ。 だが、ロボットシリーズとファウンデーションを奇麗につなげて終りに 出来たアシモフは幸せだとおもう。

ファウンデーションの誕生〜若き日のハリーセルダン〜

筆者、第六巻と第七巻、特に第七巻がファウンデーションで一番好きである。

話としては他のファウンデーションとは違って、いたって普通の話というか、 あくまでもファウンデーションの前にあたる部分の整合性をとるための話だ。

だが、やはり、未来への希望を描く、それが物語だとおもふのである。

ストーリーテリングという点においては、 ファウンデーションの中でピカイチだとおもふのである。

また「ロボットと帝国」も同様の意味で好きなのである。

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