2002/08/17: 夏日だ、ジンギスカンだ

夏日だ。 夏ふぁいなるかもしれぬとなると、 今年はまだいっていないツキサップが呼んでいる気がした。

数条の薄い白雲が白樺の並木の向うの空に映えている。 冬の強い風に押されたのか、 白樺の木はみな同じ方向にかしぎ、ゆがんだ櫛のようだ。

並木の向うには実験農場のとうもろこし畑が広がり、 風上の牧草地から吹く風に混じった牛糞のにほひが体をまさぐる。 光と匂いのシルエットがいわば牧畜の原風景を映し出す。

ゆるやかなアップダウンを越えると、 やわらかな日差しの中ですでに初老に達した菖蒲たちが晩夏の中でも最後の華 を咲かせようと努力していた。 かすれ、しおれかけた七色の花畑がつづく路を数分歩くと、 右に砂利が広がる車おき場が見えてきた。

その向うには一頭の羊が、自分の領土のおいしい草を食いつくして飽きている 羊が右手に見える。 さて、ついた、ついた。羊を食う場所に:)