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カスタマイズの事例

Table of Contents
ケーススタディ: 自動ファイル送り返しサーバ
ケーススタディ: 誰でもコマンドメールが使える
ケーススタディ: コマンドメールを誰も使えないようにする
ケーススタディ: メールマガジン (1)
ケーススタディ: メールマガジン (2)
ケーススタディ: 誰でも投稿可能なML
ケーススタディ: フォローする場合なら誰でも投稿可能なML
ケーススタディ: PGP/GPG の電子署名で投稿制限をするML
ケーススタディ: PGP/GPG でコマンドメールを認証する
ケーススタディ: MLの階層化
自分のアカウントでMLを行ないたい (Procmail の利用)
ケーススタディ: オフィス (1)
ケーススタディ: オフィス (2)
レシピ’s [認証]
レシピ’s [登録関連]
レシピ’s [配送関連]

ケーススタディ: 自動ファイル送り返しサーバ

配送プロセス( /usr/local/libexec/fml/distribute )を改造し、 どんなときでも /some/where/help ファイルを送り返すことを考えます。 たとえば help@fml.org MLを作り、 このアドレスにメールを送ると (うむをいわさず:-)ヘルプファイルを送り返すというものです。

この場合 config.cf (e.g. /var/spool/ml/help/config.cf)の例は、 次のようになります。

article_post_restrictions = permit_anyone
config.cf ファイルの =cut 行以降に hook を書きます。
$distribute_run_start_hook = q{

        $curproc->reply_message( {
                type        => "text/plain; charset=iso-2022-jp",
                path        => "/some/where/help",
                filename    => "help",
                disposition => "help example",
        });

        $curproc->stop_this_process();

};
最後の
$curproc->stop_this_process();
が fml4 の $DO_NOTHING 変数にあたりますが、fml8 ではメソッドです。 これで、この HOOK 以降、正常の処理が無視されるようになります。 つまり、なにも実行されなくなるというわけです。

正確には「身のある処理は何も実行されません」が、 reply_message() メソッドで、 メッセージキューに入れられたメッセージを送信する処理が行なわれます。

レシピ’s

1. サービス案内を自動で送り返す
2. お礼”も”返す意見受け付け用ML

1. サービス案内を自動で送り返す

コマンドメールで guide というコマンドを受けるとガイドを送り返します。 この仕組みを応用すると良いでしょう。

デフォルトではメッセージテンプレートのガイド案内が使われます。 fml4 のようにMLのホームに guide ファイルがあるわけではありません。 もっとも fml4 との互換性維持のために、 各MLのホームディレクトリに guide ファイルをおけば、 それを送り返してくれます。

「メールの内容にかかわらず常にガイドを送り返す」には、 もうひとひねり必要です。

このためには、 次のように HOOK で常に guide コマンドを実行するようにするとよいでしょう。 なお、この例では通常の処理は行なわないようにしています。


$distribute_run_start_hook = q{

	# guide コマンドを呼び出します。
	# guide コマンドの内容は汎用のメールキューシステムに渡されます。
	use FML::Command;
	my $dispatch = new FML::Command;
	my $context  = $curproc->command_context_init("guide");
	$dispatch->guide($curproc, $context);

	# 通常の処理を行ないません。
	$curproc->stop_this_process();

};

# コマンドメールでも同じくガイドを送り返すように
$command_mail_run_start_hook = $distribute_run_start_hook;
fml4 と異なり、 配送用とコマンドメール用それぞれのプロセスごとに HOOK が分かれていることに注意して下さい。 このため上のように、 最後に同じ内容のコマンドメール用の HOOK も定義する必要があります (次のように変数をコピーすれば十分です)。
$command_mail_run_start_hook = $distribute_run_start_hook;

2. お礼”も”返す意見受け付け用ML

「意見受付」用のMLを考えてみましょう。

前レシピに似ていますが、少し違います。

このMLに意見を送ってくれた人には、 とりあえずお礼の返事 「ご意見ありがとうございました。返事はしばらく待ってね。」を出し、 投稿されたメールを関係者に配送します。 よって、 (1) だれでも投稿できて、 (2) お礼を常に出し、 (3) さらに普通のMLとして動作する、 ように設定します。 (3) は「返事の前に、関係者が議論するため」の機能という想定です。

[config.cf]

article_post_restrictions = permit_anyone

=cut

$distribute_run_start_hook = q{
    my $cred   = $curproc->credential();
    my $sender = $cred->sender();

    # MLのメンバーでないならガイドを送り返します。
    # MLのメンバーに対しては普通のMLとなります。
    # この HOOK により、ガイドを送り返す機能が"追加されている"状態です。
    unless ($cred->is_member($sender)) { 

	# guide コマンドを呼び出します。
	use FML::Command;
	my $dispatch = new FML::Command;
	my $context  = $curproc->command_context_init("guide");
	$dispatch->guide($curproc, $context);
    }

};

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