一度でも折れたモノは元に戻ることはない。
ぽっきり折れたアイスの棒も折り戻してみれば一見一つの棒だ。 継目もしっかり噛み合う。だが、手を離せば徐々に折れ曲がり始める。
継目を人工的に接着させることは出来るだろう。だがしょせん人の手によるも の。しっかりついているようであってもついていないし、そもそも、その接着 方法が正しいのかどうか分からない。
ならば、棒を燃やしつくして灰にしてしまえば、火の鳥のように、その灰から 棒が生え直してくれるだろうか?
いや、燃やそうとしても炭がない。
わずかな燃え残りの炭ならば、くすぶっている。わずかな燃え残りに灯油をか けて無理に使うことはできるが、その火は生活排水に消され、灰色の薄く細い 煙となって四散していくだけだ。
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