Caution |
記録のため、かつて考察した内容を書き留めておきます。 現在の実装は、以下の記述とは異なり、 1メッセージ1ファイルのテンプレートファイルの集合体です。 |
MLドライバは、適宜、エラーメッセージを送信者に返す必要があります。 そしてエラーメッセージは送信者の言語依存でないといけないでしょう。
よって、 多国語化対応と適切な文字コード変換をしてから送り出す必要があります。 そして、そのための処理関数群が必要です。
fml4 には
Mesg(*e, キーワード, デフォルトのメッセージ, 変換に使う引数);の形で呼び出すメッセージ処理関数がありました。
Mesg() は /usr/local/fml/messages/Japanese/ 以下にあるファイル群に対して、 キーワード検索を行なっています。 各ファイルには、 カテゴリごとに分類されたキーワードとメッセージが定義されています。 つまり各ファイルに複数のキーワードが定義されていました。
たとえば、 キーワードが not_found の場合、 /usr/local/fml/messages/Japanese/kern ファイルの not_found という欄が該当します。
あまり素敵な仕様ではありませんでした。 だからといって、locale が素敵というわけでもないのですが…
一つのファイルに一つのキーワードを持つのと、 カテゴリごとに複数のキーワードを持つのとでは、 どちらがカスタマイズしやすいでしょうか? この議論の決定打は、ないように思えます。
XPG (X/Open の規格)を使う場合は
catgets(catd, set_id, msg_id, char *s);で、LOCALE_○○ で指定された言語へ変換しています。 [1] locale の使い方は次のような感じになります。
printf(catgets(catd, 30, 4, "%s: Internal match error.\n"), progname);この時、catgets() は locale の定義ファイル( 例: /usr/pkg/share/nls/ja_JP.EUC/プログラム名.cat ) の中の se 30、エントリ 4 のメッセージを元にメッセージを生成しています。
言語問題の一つは locale に対応するか?という問題です。 makefml を筆頭に、 各種コマンド群のエラーメッセージの日本語化を考えると、 locale を考えておくのも悪くはないのかとも思います。 この場合は locale ぽくするために
/usr/local/lib/fml/バージョン/messages/ja_JP.EUC/kern 1: %s は見つかりません 2: %s は %d のエラーですといったものにしておくと、いざ使うときがきたら便利そうです。
逆に、 一つのキーワードごとに別のファイルにしておく構成も可能です。 これは特定の一つのキーワードだけカスタマイズしたい場合に便利そうです。
もし、後者の方法をクラスを作成することで試してみることにすると、
FML::Message::ja::キーワードというクラスをたくさん作成することになるでしょう。 たとえば
FML::Message::ja::not_foundなどと 200 〜 300 個のファイルが作られることになります。 この方法の問題点は
ファイルがバラバラになる (逆に長所として、カスタマイズしやすくなる)
ファイルがバラバラになることで locale ぽくなくなるが? locale 対応を考えると面倒じゃないだろうか?
もっとも、 複数のファイルから一つのファイルを合成するのは簡単なので、 細かい単位になっていることは、そんなに問題ないのかもしれません。
また、 各メッセージテンプレートはどのようなものであるべきでしょうか? 後者の場合、
sub not_found { my .. = @_; return <<"_EOF_" $sender はどうーたら _EOF_ }といった関数をたくさん作ることもできます。 つまり、 単なる引数ではなく、 意味の分かりやすいものにすることを考えたわけです。 しかし、これは本当にカスタマイズしやすいでしょうか? locale 化を考えるなら、これはこれで面倒な気がするわけですが…
[1] | ここで s はデフォルトのメッセージとなります。 |
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