配送プロセス( /usr/local/libexec/fml/distribute )を改造し、 どんなときでも /some/where/help ファイルを送り返すことを考えます。 たとえば help@fml.org MLを作り、 このアドレスにメールを送ると (うむをいわさず:-)ヘルプファイルを送り返すというものです。
この場合 config.cf (e.g. /var/spool/ml/help/config.cf)の例は、 次のようになります。
article_post_restrictions = permit_anyoneconfig.cf ファイルの =cut 行以降に hook を書きます。
$distribute_run_start_hook = q{ $curproc->reply_message( { type => "text/plain; charset=iso-2022-jp", path => "/some/where/help", filename => "help", disposition => "help example", }); $curproc->stop_this_process(); };最後の
$curproc->stop_this_process();が fml4 の $DO_NOTHING 変数にあたりますが、fml8 ではメソッドです。 これで、この HOOK 以降、正常の処理が無視されるようになります。 つまり、なにも実行されなくなるというわけです。
正確には「身のある処理は何も実行されません」が、 reply_message() メソッドで、 メッセージキューに入れられたメッセージを送信する処理が行なわれます。
コマンドメールで guide というコマンドを受けるとガイドを送り返します。 この仕組みを応用すると良いでしょう。
デフォルトではメッセージテンプレートのガイド案内が使われます。 fml4 のようにMLのホームに guide ファイルがあるわけではありません。 もっとも fml4 との互換性維持のために、 各MLのホームディレクトリに guide ファイルをおけば、 それを送り返してくれます。
「メールの内容にかかわらず常にガイドを送り返す」には、 もうひとひねり必要です。
このためには、 次のように HOOK で常に guide コマンドを実行するようにするとよいでしょう。 なお、この例では通常の処理は行なわないようにしています。
$distribute_run_start_hook = q{ # guide コマンドを呼び出します。 # guide コマンドの内容は汎用のメールキューシステムに渡されます。 use FML::Command; my $dispatch = new FML::Command; my $context = $curproc->command_context_init("guide"); $dispatch->guide($curproc, $context); # 通常の処理を行ないません。 $curproc->stop_this_process(); }; # コマンドメールでも同じくガイドを送り返すように $command_mail_run_start_hook = $distribute_run_start_hook;fml4 と異なり、 配送用とコマンドメール用それぞれのプロセスごとに HOOK が分かれていることに注意して下さい。 このため上のように、 最後に同じ内容のコマンドメール用の HOOK も定義する必要があります (次のように変数をコピーすれば十分です)。
$command_mail_run_start_hook = $distribute_run_start_hook;
「意見受付」用のMLを考えてみましょう。
前レシピに似ていますが、少し違います。
このMLに意見を送ってくれた人には、 とりあえずお礼の返事 「ご意見ありがとうございました。返事はしばらく待ってね。」を出し、 投稿されたメールを関係者に配送します。 よって、 (1) だれでも投稿できて、 (2) お礼を常に出し、 (3) さらに普通のMLとして動作する、 ように設定します。 (3) は「返事の前に、関係者が議論するため」の機能という想定です。
[config.cf] article_post_restrictions = permit_anyone =cut $distribute_run_start_hook = q{ my $cred = $curproc->credential(); my $sender = $cred->sender(); # MLのメンバーでないならガイドを送り返します。 # MLのメンバーに対しては普通のMLとなります。 # この HOOK により、ガイドを送り返す機能が"追加されている"状態です。 unless ($cred->is_member($sender)) { # guide コマンドを呼び出します。 use FML::Command; my $dispatch = new FML::Command; my $context = $curproc->command_context_init("guide"); $dispatch->guide($curproc, $context); } };
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